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東洋医学の病気の捉え方
漢方古典理論では、自然界の移り変わりと人の生命誕生から死までの過程を、『相火』という『』の存在を通して一元的に捉え、生命維持の基となる気(機能・生理作用)の働きが正常であれば体調が良くなり、逆に何らかの原因で気の働きが長く障害されると身体に異変を発症するとし、気の働きは最も重視されます。

例えば、気の循りの障害により身体の陰・陽のバランスを崩したことが原因で引き起こす苦痛症状の『―体力低下症状・皮膚のかさつき・張りが無い・押すと気持が良い・痒みなど』、『―腫れ・緊張・痛みなど』、『―冷え』、『―発熱・炎症』などは、鍼施術によって気の流れが順当になることで身体の陰・陽(虚実・寒熱)が是正されると患者さん自身の力が自然治癒に導きます。

櫻井鍼灸院独自の鍼専門の一経穴鍼療法です。

当院では、漢方古典理論の一解釈法を応用した相火に影響する一箇所の経穴への鍉鍼法刺激で、(生命の機能・生理作用を推進させる無形で目には見えないエネルギーの様な存在)と、(栄養、血液・リンパ液類、水などの有形で目に見える物質)を身体の細胞・組織・器官など全身に順当に循らせる事で患者さん自身の自然治癒力を高め、苦痛の緩和や未病の予防(健康寿命の延伸)に努めています。

病の発端となる《根っこの治療》に重点を置いた本院の鍼療法は、急性炎症性疾患だけでなく現代医学で難治性とされる一部の癌・皮膚疾患・膠原病など、遭遇症例数は少ないですが多くの場合患者さんに喜んで頂いております。

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中国古典医学の健康・病気とは、
健康維持は
生命体は、陰・陽のバランスをとりながら常に揺らいでる状態で健康を保っています。
病気は
陰・陽のバランスが極度に崩れたときに出現します。
気(陽)・血(陰)の循りの不調や滞りなどを原因とした生命体の反応として、精神的不快や痛み・炎症・しびれ・麻痺・熱発・腫瘍類などが現れます。

西洋医学と東洋医学の病の捉え方と治療の方向性の違い
西洋医学と東洋医学は、身体の構成、生理、病理、病態など、両者には根本的に異なる点が多く、必然的に治療の着眼点も大きく相違します。
西洋医学
科学的医学として、局所症状を元に、精密なミクロ単位の血液検査や細胞の解析、患部像所見などを根拠に、化学薬品の開発や手術などで人類に大きく貢献していますが、ときにはそれの副作用などで大きな社会問題となるときもあります。
東洋医学
元々は中国由来ですが、日本では日本の文化や風土に合わせた独自の発展が現代に繋がっています。
診断は、四診(望診、聞診、切診、問診)の下に、陰・陽、虚・実、寒・熱、表・裏、などを全体的、局所的に捉えます。
治療は、病の源である根本治療が目標で、適切な陰・陽の調整を行う事で生命体のバランスを取り戻し、その結果が生命力を高めて患者さん自身の自然治癒力に繋がる、という考え方です。

中国古典医学の紹介
2000年以上前からの中国古典医学は、自然環境の変化を生命体にも併せて
全身の形態・生理・病理・臓腑器官との関連を理路整然と「陰陽五行論」で説明した非常に奥深い学問の特性から、経験医学として現在にも伝承されています。
ところが、古典医学書の解釈は難解で、具体的な治療法の記述はなく、診断法や鍼灸療法は百花繚乱となり、未だ経験・検証中で正解という答えは出ていません。
臨床家個々の古典医学の解釈法によって、自ずと鍼灸療法の方向性は大きく異なります。
治療の方向性は、生体への作用効果に大きく影響するため、「鍼灸師によって治療法やその効果が異なるのは何故?」と、度々患者さんから疑問の声が上がる理由の一つです。
当院は、切診の一つである脈診を中心に臨床を深めてきましたが、下記の先人の論説に符号する点が多いため、簡単に紹介します。

①中国の名医、張景岳(1600年末)説
〇「気は血に付き」、「血は気に付き」と言われ、気・血それぞれは単独ではなく必ず共同体で生命を支えています。
〇陰・陽について、『気(陽)無くして、出生・成長発達や生命維持は不可能』、『気の存在無くして生なし』とも述べています。
〇根本を取り除くことに集中すれば、様々な症状も取れて病は自然に治っていきます。
〇治療を施す上での要点は「精一(腎)」とし、粗雑にしない事が最も貴い治療。
〇「腎の相火が堅固であれば三焦も堅固」で、病の発生要因が加わっても病気になることはないと述べています。
〇胃と全身の関係
胃で消化された水穀(後天の元気)が、先天の元気の精(血・形体)神(気)という五臓六腑全身を養って生を保つ事から、胃は貴いとされています。
「五臓の気全て、その気は胃から受け取ります」
〇治療について、
生命の根源とされる腎中の相火は、心(神)と共に気を発する重要な蔵とされ、治療は『腎、心、胃』を要にせよと記しています。

②江戸時代末期の医家、岡本一抱子(1654~1716)説
中国古医書の注釈を中心に更に深く研究を進め、身体の成り立ち、生命活動について、腎の「相火という気」を通して一元的(一元の気)に捉え、人身における根本を整理した上で治療への道筋を示しています。
〇医道は三焦を眼目とします。
張景岳と同様に
『腎、心、胃』の重要性を説明し、治療の方向性として、気の発生源を重視した《根っこの治療・人間丸ごとの治療》の重要性を説き、症状や局所患部中心の安易な治療は大きな誤ちに繋がると戒めています。
〇「一元の気」とは
全身を循る気の発生源は、腎と心が同じくしているとし、腎の相火の「気」と心神の「気」とが併せ持って一元の気として、その機能をもって全身を支えているのが三焦と言っています。
〇五臓の根源・医学の切要は
「根となる精(腎)・神(心)、営(胃の後天の元気)、枝(*)葉の気・血」で人身を生化し、この五者が具足する事が人の胎の成就とします。

*この場合の「気・血」は枝葉とされる理由
精腎水(血)から、後に枝分かれして出来たのが肝。
神心火(気)から、後に枝分かれして出来たのが肺。

当院の鍼療法は、脈診の元に三焦経の一穴のみを用いて「気」を重視した施術で、「血、水」の動きが顕著に認められると同時に、幅広い症状に対しての生命体の改善反応が認められるようになりました。
身体を構成する、気(陽)、血・水(陰)について簡単に紹介します。

1)気とは
〇目には見えないけど、全身の内(深部)・外(皮膚表面)全てに満ちて身体を温めて正常な生理機能を担います。
*気の弱りから、身体の内・外に冷えが発生して体調不良の時、鍼療法によって身体全体の温もりを感じると同時に、患部の虚・実が整って元気になるのは、全身の気・血の流れが充実した事を意味します。

気の発生源(先天の気と後天の気)について
〇腎の命門相火が発生源となり、これを先天の気と言います。
先天の気が全身を循らせる機能は三焦が担います。
〇胃の飲食の精微と三焦の助けで呼吸を促し(合わせて宗気という)、これらは胸中の膻中に集まって後天の気となり、この部で先天の気と合流し、肺気の作用で全身に気を循らせ体内の様々な働きを支えています。

気の作用は
〇推動作用-成長・発育、血液循環エネルギ-。
〇温煦作用-体温維持(全身の内外を温めて働きを促進)。
〇防御作用-免疫に係る作用(皮膚など身体の表面の保持)。
〇固摂作用・統血作用(体内物質排泄の調整)
-正常なとき、血管からの漏血、尿・汗その他の津液を大量に失わない
〇気化作用
-血液及び津液(体内の全ての分泌液・排泄液や体液)の化生、津液の輸布、汗・尿への転化。消化機能・呼吸機能の維持。

2)血・水とは
〇身体の形態を司り、筋骨、脊髄・脊髄液、臓腑、神経、細胞(栄養物質を含む)、皮膚、体液、分泌液、リンパ管リンパ液や血管血液など、目に見える物全てを言います。
〇宗気が肺に行き肺気の作用で心に行き、ここで未だ色の白い先天の血に合流して赤い色の血液に変化。
〇心気の推動と脾気の統摂・統血の働きの元で、全身の脈管を循環濡養し、肝で貯蔵。
〇胃・脾の水穀からの気の働きの元に身体に栄養をもたらし身体の形を作り出しています。

3)気と血の関係
正常な状態は、必ず気(陽)に血(陰)が同量に付き、或いは、血に気が付いて生命維持をなしています。
気と血は、受胎~生命誕生、そして、成長・発達、壮年、老人期~死迄、生ある限り常に共同体で循環しています。
*当院の鍼療法の生命体の反応は、皮下組織など余分な水の是正と共に、身体の温もり、皮膚の色・艶の改善、筋肉の過緊張や力が落ちている部の是正、炎症や痛みの鎮静化、破壊している局所組織の再生促進現象は、気・血の流れが修復したことが推察できます。

4)気・血の観察-漢方診察法の四診(望、聞、問、切)を用います。

病の発生要因と進行過程
病の原因は、先ず「気の弱り=気虚(陽虚)」としています。
長期的・日常的な悪い生活環境は、極端に陰・陽のバランスが崩れ、自覚がない場合でも気の弱りを発生します。
気虚を起こす要因として以下を指摘しています。
〇悪い生活習慣
睡眠-入眠時間(遅くとも23時から24時迄には入眠する)や睡眠時間の過不足を避ける。
衣-気候に合った衣服で、雨に濡れない、
特に冬場に汗を出した場合は、湿邪や風邪・寒邪を体内に引き込まない工夫を。
食-食品添加物や消毒薬使用食品(十分に薬品を洗い流す策をとる)を避け、日常的な甘い物・塩辛い物・清涼飲料水の取り過ぎを控える。
身体を冷やすアイスクリーム・果物の取り過ぎなどにも注意。
日常的飲酒は、湿と熱又は湿と寒が体内に蓄積して臓腑を傷めます。
住-湿地帯を避ける。
風に直接長時間当たらない工夫を-扇風機の風、エアコンの風
不良環境-不衛生や大気汚染環境、長期間の化学薬品に接する場合など。
喫煙習慣や受動喫煙など。
運動不足-適度に手足を動かす運動は、後天の元気・先天の元気が全身の気・血の循りを良好にし、又、適度な発汗は体力増強及び精神状態も活性化します。
〇ストレス(肉体的過労・精神的)
長時間労働による過労、或いは長時間の同じ姿勢、心労(不安、怒り、思い悩む、ハラスメントなど)を引き起こす生活環境の改善など。

1)気の病(未病-古典医学の経絡迄の侵襲で、五臓腑や器官迄は進行してない状態の急性疾患、体力あり)
〇上述の「気の作用が低下」状態のとき、易疲労、風邪ひきやすい、身体の冷え感、急に筋肉性の痛みや関節痛、浮腫みなどを発症します。
〇生活環境の見直しと並行しての鍼療法で比較的早期に体質改善と共に不快症状は消失します。
2)血の病(気と血の両方)(己病-臓腑や器官が器質的病変に至った慢性疾患、著しい体力低下)
〇気の病が長期持続した場合に気の共同体であるまで変調をきたし、慢性疾患や臓腑などの器質的病変にまで至る事を言います。
〇病の勢いや体力低下が著しい為(患者さん自身が体調の異変を自覚する場合と無自覚の場合もあります)、体質・体力改善までには期間を要します。

櫻井鍼灸院独自の「鍉鍼(テイシン)法による気一元の鍼療法」と施術の反応

*鍉鍼法について
鍼の種類は、鍼施術用途に合わせて鍼の形が異なる九鍼(9種類)があります。鍉鍼法とは、「気の治療」の目的から九鍼の一つ「鍉鍼」を応用した当院独自の鍼の材質も考慮して、皮膚の気の流れを止めない様に皮膚を傷つけない鍼法を考案しています。

脈診によって胃の気の脈(橈骨動脈の流れ方から気・血(水)の過不足を捉え、生命体の変化や生命力・治癒力を察知)を重視した脈の性状・脈質・脈象などの観察の下に、陰陽・五行論をヒントに使用する器具などを工夫しました。
脈の区分けやその他の診方は、今は亡き舟木寛伴先生が古典を整理して紹介された脈法を、更に一般に行われている難経の脈法に岡本一抱子説の脈診法を取り入れるなど、模索しながら創意工夫を重ね、変遷を経て脈診臨床歴27年目にして独自に古典療法の一つである『鍉鍼法による気一元の鍼療法』を編み出しました。
それは、偶然にも前述①、②の論調にある「治療の要は精一で、その役割を担う三焦」、更に「心・腎・胃」を包括した本鍼療法は、岡本一抱子の「根っこの治療」に副っている様に感じています。
鍼施術によって作られる良質な胃の気の脈(脈の堅さが完全に除去され柔らかく、且つ、脈に力がつき、滑らかに流れる脈状)を基準にしている事で、集中施術(追加施術)が可能となりました。
急性炎症では、生命体の修復力・回復力が速く、鎮痛と共に早期治癒が認められます。更に、現代医学で難治性とされる慢性炎症-癌や自己免疫性疾患などでお悩みの患者さんにも喜んで頂ける様になり、遭遇症例数はまだ少ないですが積極的に取り組んでおります。

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ささない鍼治療

『ささない鍼治療』とは、 鍼をささない(肌を傷つけない)鍼治療法です。
鍼先を直接皮膚に接触させない鍉鍼法ですので、鍼による有害事象は一切ありません。
初心者の方でも安心して施術を受けていただけます。

脉診流鍉鍼療法
【住所】〒534-0021 大阪市都島区都島本通3-6-24
【TEL】06-6929-1132

施術時間 日・祝
9:00-12:00              /
16:00-18:00      /      /  /

【休診日】水曜日・土曜日の午後 日曜日 祝祭日
※月・火・木・金の午後の部は、事前の予約時には19:30まで受け付けています。
※患者様には出来るだけお待たせしないために、原則予約制としています。